ワンピースの世界に登場する「Dの一族」は、物語の根幹に関わる重要な存在である。
彼らは“神の天敵”と呼ばれ、世界政府にとっての脅威とされている。この「Dの一族」のモデルが、実在した中世の騎士団「テンプル騎士団」であるという説が注目されている。
テンプル騎士団は、当時最強といわれた宗教騎士団であり、膨大な財産と軍事力を持っていた。そのリーダーであるジャック・ド・モレーは、異端の罪を着せられ火あぶりの刑に処されたが、彼の死とともに多くの記録が闇に葬られた。これはワンピースにおける「空白の100年」と重なる部分である。
また、ドクロと骨を組み合わせた海賊旗（ジョリー・ロジャー）の起源が、ド・モレーの墓にあったという説も存在する。さらに、騎士団の思想は後にフリーメイソンへと受け継がれたとされ、物語に登場する石工一族や古代文字の技術ともつながって見える。
加えて、ワンピースの登場人物の中には日本人風の名前や価値観を持つ者も多く、騎士道精神と共通する“誇り”や“忠義”が描かれている点も興味深い。現代ではアサシンクリードのような作品によって、テンプル騎士団は“陰謀の象徴”として再評価されており、フィクションの中でもその影響力は色濃い。
この記事では、Dの一族とテンプル騎士団の関係、そして両者に共通するシンボルや思想について、多角的に考察していく。
テンプル騎士団は“Dの一族”のモデル？ワンピースとの意外な共通点
- ワンピースのDの一族のモデルはテンプル騎士団だった？
- Dの一族の正体とは？作中に登場した人物たちを一覧で紹介
- ジョリー・ロジャーとテンプル騎士団の関係とは？海賊旗のルーツに迫る
- Dの一族に日本人が多い？意外な共通点とその理由を考察
- テンプル騎士団は本当に最強だったのか？
ワンピースのDの一族のモデルはテンプル騎士団だった？
ワンピースの「Dの一族」は、物語の中で謎めいた存在として描かれている。彼らは“神の天敵”とも呼ばれ、世界政府に恐れられている。
興味深いのは、「D」というイニシャルが名前の中央にあること。
そして歴史上、テンプル騎士団の多くのリーダーも名前に「de（ド）」という接頭辞を持っていた点だ。たとえば創設者のユーグ・ド・パイヤンや、最後の総長ジャック・ド・モレーなどがその例である。
さらに、テンプル騎士団もまた、当時の権力者であるフランス王や教皇に恐れられ、最終的には異端として粛清された。これは「Dの一族」が“世界政府”に対して持つ構図とよく似ている。また、テンプル騎士団が残した財宝や秘密が“失われた真実”として語られる点も、ラフテルや“ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）”と重なる部分が多い。
以上のことから、「Dの一族」のモデルとして、テンプル騎士団が影響を与えた可能性は十分に考えられる。
Dの一族の正体とは？作中に登場した人物たちを一覧で紹介
「Dの一族」として登場するキャラクターは、ワンピースの物語の中でも特に重要な役割を担っている。代表的な人物には、主人公モンキー・D・ルフィをはじめ、ポートガス・D・エース、ゴール・D・ロジャー、モンキー・D・ドラゴンなどがいる。彼らは共通して、自分の信念を強く持ち、時に世界政府に反抗するような行動をとる。
また、黒ひげことマーシャル・D・ティーチもDの一族である。彼はルフィたちとは正反対の存在だが、やはり世界を揺るがす大きな行動を起こしている。Dの一族の行動はいつも「世界の秩序に変化をもたらす」という点で共通している。
さらにロシナンテ（ドンキホーテ・ロシナンテ）の言葉によれば、「Dは嵐を呼ぶ」とされている。これはテンプル騎士団が中世ヨーロッパで引き起こした政治的な混乱とも重なる。Dの一族の正体はまだ完全には明かされていないが、彼らは“歴史を変える者たち”という役割を担っている存在である。
ジョリー・ロジャーとテンプル騎士団の関係とは？海賊旗のルーツに迫る
「ジョリー・ロジャー」とは、ドクロと骨をモチーフにした海賊旗のことを指す。実はこのデザイン、テンプル騎士団の最後の総長ジャック・ド・モレーの死後に関連する。彼の遺体が埋葬された場所から、ドクロと交差した2本の骨が発見され、これが後にジョリー・ロジャーの元となったとされる説がある。
また、テンプル騎士団は財宝の守護者としても知られ、多くの富を隠し持っていた。こうした「失われた財宝」や「秘密の団体」のイメージは、海賊やジョリー・ロジャーの神秘的なイメージと一致している。さらに、ジョリー・ロジャーという言葉自体が「ジョリー（陽気な）」という意味を持つ一方で、死を連想させるデザインになっているのも、騎士団の“聖戦”と“異端審問”という二面性を彷彿とさせる。
このように、海賊旗のデザインや意味には、テンプル騎士団の影響が色濃く残っている可能性が高い。
Dの一族に日本人が多い？意外な共通点とその理由を考察
ワンピースに登場する「Dの一族」には、日本人のような名前や設定を持つキャラクターが多い。モンキー・D・ルフィやモンキー・D・ドラゴンの名前には、日本的な親子関係や家族観が反映されているように感じられる。また、物語の随所に見られる“武士道”や“名誉を重んじる精神”も、日本の文化に深く根ざしたものだ。
一方で、テンプル騎士団もまた“騎士道”を重んじる組織だった。つまり、「誇り」「使命感」「忠誠心」といった精神的な価値観において、両者は驚くほど似ている。このような共通点があるため、尾田栄一郎氏がDの一族に日本的要素を組み込んだのは、テンプル騎士団の思想とリンクさせたかったからとも考えられる。
また、ワノ国編で描かれた侍たちの生き様も、騎士団の構成員が聖地を守るために命を懸けた姿と重なる。日本文化と西洋騎士団の融合が、Dの一族に反映されているのである。
テンプル騎士団は本当に最強だったのか？
テンプル騎士団は、単なる戦士集団ではなかった。彼らは中世ヨーロッパで最も影響力のある組織の一つであり、軍事力だけでなく、経済力と宗教的権威も併せ持っていた。特に注目すべきは、騎士団が「ヨーロッパ初の銀行業」を始めたことだ。巡礼者の安全な資金管理のため、預金や送金の仕組みを導入し、現代の金融の原型となった。
また、騎士団は十字軍遠征において大きな役割を果たし、聖地エルサレムの防衛や戦闘で重要な任務を担っていた。その強さと忠誠心は恐れられ、やがて政治的にも無視できない存在となっていった。
このような背景から、テンプル騎士団は単なる軍隊ではなく、国家すら揺るがす力を持つ“最強の組織”だったといえる。ワンピースの「Dの一族」も、世界を揺るがす力を秘めた存在として描かれており、この点でも非常によく似ている。
ワンピースとテンプル騎士団のつながりを考察
- テンプル騎士団のリーダーは誰だったのか？
- ジャック・ド・モレーと“空白の100年”の謎がリンクする
- テンプル騎士団はフリーメイソンになった？歴史の謎
- アサシンクリードに描かれたテンプル騎士団の姿は史実と一致するのか？
テンプル騎士団のリーダーは誰だったのか？
テンプル騎士団のリーダーは「総長（グランド・マスター）」と呼ばれ、団の軍事・宗教・政治の全てを取り仕切っていた。
最も有名な総長の一人が、最後の指導者となったジャック・ド・モレーである。
彼は13世紀末から14世紀初頭にかけて騎士団を率いたが、最終的にはフランス王フィリップ4世の策略により、異端の罪を着せられて処刑された。
ジャック・ド・モレーの処刑は、騎士団が力を持ちすぎたために政治の世界から排除された象徴的な出来事である。この構図は、ワンピースにおける「Dの一族」と世界政府との関係に似ている。つまり、正義や信仰の名のもとに動いていた集団が、真実を隠す権力によって葬られるという構図である。
総長は常に秘密主義の中で行動していたとされ、彼らの実際の計画や思想の多くは謎に包まれている。その神秘性が、ワンピースの古代王国や「空白の100年」と重なって見えるのは偶然ではない。
ジャック・ド・モレーと“空白の100年”の謎がリンクする
ワンピースの世界では、「空白の100年」と呼ばれる歴史の記録が存在しない時代がある。これは世界政府によって意図的に隠された歴史だとされている。一方、テンプル騎士団の歴史にも、非常に似た“記録の空白”が存在する。
ジャック・ド・モレーが火あぶりにされた1307年以降、騎士団の残党がどこに消えたのかははっきりしていない。財宝も含め、彼らの活動は突然表舞台から消えた。これにより、「騎士団は地下に潜って活動を続けていた」「別の名前で再結成された」といった多くの説が生まれた。
ワンピースの“空白の100年”もまた、ある巨大な王国が消された後、世界政府がその存在をなかったことにしている。ジャック・ド・モレーの死とその後の騎士団の消滅も、まるで歴史の中から消されたかのようだ。だからこそ、多くの人がワンピースのこの謎に、テンプル騎士団の失われた歴史を重ねているのである。
テンプル騎士団はフリーメイソンになった？歴史の謎
テンプル騎士団は、表向きには解散したとされているが、「その一部が後にフリーメイソンへとつながった」という説がある。フリーメイソンは現在も世界中に存在する秘密結社で、建築やシンボル、儀式を重んじる文化を持っている。
この「建築」へのこだわりが、
ワンピースに登場する「ポーネグリフの石工」や「ワノ国の光月家」といった要素と一致している。
特に光月家は、古代文字を石に刻む技術を持つ一族であり、失われた歴史を次世代に残そうとしている。
また、フリーメイソンのシンボルである“コンパスと定規”も、知識と設計、つまり未来を築くための力を表している。これはワンピースにおける「Dの一族」や「古代兵器」などと共鳴する。テンプル騎士団からフリーメイソンへと受け継がれた精神や知識が、ワンピースの物語の根底に流れている可能性は高い。
アサシンクリードに描かれたテンプル騎士団の姿は史実と一致するのか？
アサシンクリードに登場するテンプル騎士団は、組織的な陰謀や世界支配を目論む勢力として描かれている。しかし、これはあくまでフィクションであり、史実のテンプル騎士団とは大きく異なる部分が多い。実際のテンプル騎士団は、宗教的使命を担い、聖地巡礼の保護や金融活動を行っていた中世の修道騎士団である。ゲーム内の描写はエンターテインメントとしての脚色が強く、史実そのものではない。
より詳しい内容については、以下の記事で解説している。
史実とゲームの違いを深く知りたい方は、ぜひこちらを参照していただきたい。
関連記事：アサシンクリードのテンプル騎士団は何者か？真実の歴史と比較してみた！
テンプル騎士団が“Dの一族”のモデル？ワンピースとの関係まとめ
- Dの一族の名前にある「D」は、テンプル騎士団の「de（ド）」と共通点がある。
- ワンピースに登場するDの一族の人物一覧は、いずれも世界を揺るがす存在である。
- **海賊旗（ジョリー・ロジャー）**のデザインは、テンプル騎士団のドクロ伝説に由来するという説がある。
- Dの一族に日本人的要素が多いのは、騎士道と武士道の精神的共通点が背景にある。
- テンプル騎士団は中世ヨーロッパで最強の組織であり、軍事・経済の両面で影響力を持っていた。
- 騎士団のリーダー・ジャック・ド・モレーの死とその後の失踪は、ワンピースの「空白の100年」と似た構図である。
- 解散後、騎士団の思想はフリーメイソンへと継承されたという説があり、知識の伝承に注目が集まる。
- ゲーム『アサシンクリード』に描かれるテンプル騎士団像は、ワンピースの世界政府との共通性がある。